おしんこ盛り合わせのサラダボウル

中国を愛しすぎてる日本語教師おしんこが異文化で奮闘するブログ

おしんこ川柳大賞

今日は文学史の授業でおしんこ恒例「川柳を書こう!」の回をやりました。

特に自分が川柳好きだというわけではないのですが、そういう文学的素養というか、風刺などを解する心を持ってほしいなぁという希望からです。

先学期の授業でも別な学生たちに川柳を書いてもらったのですが、(多分おしんこの力不足で)あまり秀作が出なかったので、今回はリベンジマッチです。

前回は日本人に説明するのと同じように川柳の技法説明をしてしまったことを反省して、(『虚実法』とか、『反転法』とかの説明をしてしまった。今考えればあまりにレベルが高すぎたと思う)学生が陥りやすい点に焦点をあててみました。

まず「普通の文になる」のはダメ。
「学校は 毎日行って 大変だ」
こういうの。
一句目で「○○○○は/が」、三句目で「名詞+だ」「形容詞、形容動詞」になるのを禁止しました。

また川柳は口語でいい、とは言いつつ、古文の文型をいくつか簡単に紹介。「動詞+ず、で否定の意味になる」とかですね。

あと発想の転換について話しました。
「宝くじ またも外れて夢となる」普通。
「宝くじ 夢の中ではよく当たり」うん。
「起こされる まで当たってた 宝くじ」
↑なるほど!!

(すいません、元の句がどこから引っ張って来たか見つけられなくなってしまいました。もし知っている方がいらっしゃったらご連絡ください……。)


学生の川柳をいくつか紹介します。
というか一部俳句が混じってますけど気にしない。

おしんこ三等賞(三句)
「桜咲く 春僕のそば 君いない」
「にわとりは飛んでも到底カモにならない」
「絶対に みんなで試験に合格だ」

俳句っぽい詩的なのはけっこうあって、中にはいいのもあったんですが、テーマは川柳なので一句だけ選びました。
二句めは限りなく自由律かな…という感じもしますが、なかなか好み。
三句めは標語感がすごいんですが、N1試験を控えて(再来週)この句は愛を感じたので。


おしんこ二等賞(二句)
「痩せたい子 飯を食べずに菓子を食べ」
「拾ったよ いくらあるかな 福沢諭吉

この二句は王道川柳感がします。
もうちょっとひねれば普通に日本の新聞に投稿できそうだ。
ちなみに二句めの学生は「寒いから学校燃やせば暖かい」という迷句を書いてくれました。
ちょっと心病んでるのかな…?

さて!堂々の一等賞は!


おしんこ一等賞(一句)

「先生に 詩を作らされ困ったなあ」

一等賞はダントツでしたね。迷わず決めました。こういう発想待ってた!!!


学生の意外な才能が新たに分かったり楽しい授業でした。

またやりたい。

二回もやったらくどいか。

さて、夜も遅くなりました。おやすみなさい!