おしんこ盛り合わせのサラダボウル

中国を愛しすぎてる日本語教師おしんこが異文化で奮闘するブログ

to do and doing

今日作文の添削をしていて(土曜なのに…)、ちょっと自分でも驚いたことがあった。

学生の作文の中で、同じ文が二回書いてあったのだけど…。
下の文できるだけ全部読んでください。

学生の作文

「子供の携帯電話使用について」

わたしは子供が携帯電話を使うことに賛成します。 ←◯
現代社会、携帯電話の進歩はとても大きいです。そして、子供たちも携帯電話を持っています。だから、子供たちが携帯電話を使うべきかどうかについて、賛否両論があります。携帯電話は非常に便利ですから、勉強に役立ちます。それに、事件があったら、すぐ親に連絡できます。友達との交流にもいいです。
などなど……
それで、わたしは子供が携帯電話を使うことに賛成します。←△

この△の文の変さが伝わるかな……。
最初、二つの文の間は(理由など)って書いていたんだけど、それだと二つ目が△な理由が伝わらなくなるのでできるだけ学生の文を再現して長く書く必要があった…。読み手が真ん中の文をちゃんと読んでいないと違和感を感じづらいのだと思う。なんてこった…。一つ目の全く同じ文は◯なのに…。添削していた自分でも、同じ文なのにどうして◯でどうして△なのかしばらくわからなかった。

それで、△の文をどう直したかというと、みなさんご名答、

「わたしは子供が携帯電話を使うことに賛成です。」


問題は、「します」と「です」の違いなんだよね。
「します」だと、未来の話
「です」だと過去の話のニュアンスがあるんだ。

だから、文の冒頭の「します」は、これから賛成しますというニュアンスが出て◯だった。
そして最後の文は、もう理由を話して、賛成したのは過去のことになったから、「です」が適切な文に変わった、ということ。


そういえばこの間別の学生が、「人工知能が人間を超える日を憂いです」と書いていて、×にしたばかりだった。
でもよく考えれば、(接続的には)「名詞+です」だとおかしくはないはずだよね。
「楽しい」とかの感情形容詞も「です」と接続できるし、
意味的にも接続的にも否定できないぞってなると頭がこんがらがってくる…。
この話もさっきの話と似てるよね。


英語で、to doとdoingは同じ使い方できるけど前者は未来、後者は過去の意味があるって教わったことを突然思い出したよ。
一応この件、学生の意図しているのは進行形の動作・感情だから動詞として使うべき…という説明なんだけど、それってまさしく英語のdoingとto doとつながるよね?doingの方がより名詞化されていて、「憂い(名詞)+です」と近い感じがするもんね。
わたしたちはただ英語のdoingとto doを暗記のようにして覚えたけど、日本語でも似たような文法があったんだということに今気づく。
それで、to doを取れない動詞として「MEGAFEPS」という意味不明な文字列を覚えさせられたわけだけれど、(覚えてます?笑)
それを考えると、「憂い」は「です」と接続すると不自然ってこと、理屈じゃなく、ただのルールと教えてもいいかもしれないね。

おしんこはdoingという形を理屈では知ってるけど普段の会話の中では全然自由に使えない。
to doの方が口馴染みして言いやすいから、mindとかのto不定詞が取れない動詞でも Do you mind to do this? とかしょっちゅう言ってしまう、頭では分かってるのに。
自分の英語(と中国語)のことを考えると、学生の考えてることがなんとなくわかる。
文法がわかってても結構思う通りにならないんだよなぁってこと…。
自戒。
おやすみなさい。