おしんこ盛り合わせのサラダボウル

中国を愛しすぎてる日本語教師おしんこが異文化で奮闘するブログ

相対的文化論、的な…

おひさしぶりです、おしんこです。
故郷に帰ってきての更新がガルパンのことだけになってた。
この一週間、親友ちゃんと会った以外は、(本屋とコンビニに行く以外では)ほとんど外にも出ず、まぁお母さんとは喧嘩をしますけれど、今までよりはずっと回数も少なく、比較的穏やかな日常を過ごしております。
親友ちゃんは相変わらず私の話を解してくれるので大変嬉しいです。
特に今回親友ちゃんと話した事のなかで、
「きく」の漢字について、意見が合致したことが印象深い。
「きく」は通常、「聞く」(「聴く」)しか使われていないのですが、これは英語で言うところのlisten、あるいはhearと言ったところで、ただ耳を使って相手の話または音楽を頭に入れるというような意味しかないはずなんですが、
それでは「尋ねる」の場合はどうすればいいのか、という問題です。英語ならaskにあたる用法です。
ブログとか小説とか、自分の好きに使って文句を言われない場合は、わたしはこの場合「尋く」という使い方をしますが、仕事上これは正しい日本語の使い方と言えないので、「聞く」または「きく」で代用しますけど。
親友ちゃんも仕事上(日本語教師ではありませんが)全く同じモヤモヤを抱えているとのことでした。
「尋ねる」という意味で「きく」を使う場合、「尋ねる」に当たる漢字があるのにどうして使ってはいけないのか、どうして「尋」に「きく」の使い方がないのか。
不可解です。
「聞く」「聴く」は漢字の意味が違うので使いたくないんですよね。
使いますけど。
「蒐集」→「収集」、「障碍」→「障害」のように、「難しいので簡単な漢字に置き換えた」という明確なエクスキューズもない。

ちなみに中国では、多くの漢字を「難しいので簡単な漢字に置き換える」と宣言し、「遠」や「園」なども同音の「元」と置き換えて、「远」とか、「园」といった漢字を使っていますけど、
「障碍」については、「障碍」のままで使っています。
似ているけど別な取捨選択をした文化がある。

日本に帰ってくる前、中国のウェブサイトで、「結婚可能年齢を18歳まで引き下げるのはいいか悪いか」というアンケートを見ました。
中国はたしか、もともと男女とも21歳にならないと結婚できないことになっています。
そのアンケートでは30パーセント以上の方が「悪い」としていました。
日本人のわたしからすれば、「えっ?何か悪いことがあるのかな?別に18歳で結婚しても何の問題もないと思うけれど…」という感じです。

頭で「中国の結婚可能年齢は21歳なんだぁ〜」とわかっていても、そのアンケートで30パーセントの人が反対しているのを見て不思議な気持ちになってしまった。

欧米の文化に触れることについても、日本はいつも「日本と欧米」しか見ていないし、中国はいつも「中国と欧米」しか見ていないので、この関係については不思議な感じです。

中国のテレビを見てて、中国人のタレントが「クリスマスにはリンゴを送り合う習慣があるけれど、それは欧米のものですか?中国独自のものですか?」と欧米人に聞くシーンがあった。
おしんこは恥ずかしながら一瞬「!?!?なにそれ、中国独自だよ!!?」と思ってしまったんですけど、中国人にとってみれば切実な問題よね。
自分の文化を相対的に見るということはなかなかできないものだよなぁと思う。
逆に言えば、日本に戻ってきて「欧米と比べて日本のココがスゴイ!」という雑誌を見かけたけど、それもわたしにとっては不思議な感じ。
みんな、中国の本屋さんで、「中国は欧米と比べてココがスゴイ!」という趣旨の雑誌を見たら「ええ?」と思うんじゃないかな、と推測しているけど、それと同じ気持ちを日本で味わってます。

似たような文化圏でもそれぞれ異なる発展の仕方をしてる。

不思議で面白く、時に(すごく)馬鹿馬鹿しく思える。

まぁおしんこが言えることは、そんなに欧米のこと気にしなくていいんじゃないですかね、ってことだけ、かな。笑