おしんこ盛り合わせのサラダボウル

中国を愛しすぎてる日本語教師おしんこが異文化で奮闘するブログ

「大和民族としてのアイデンティティ」

お久しぶりです。久しぶりに更新することが多くなってきているから、わざわざ久しぶりなんて書かないほうがいいのかな。おしんこです。

 

近所のスーパーによく行くんです。とてもアットホームなスーパー。

お金を持ってなかったりすると、「次来た時でいいよ」ってな感じの緩さ。

日本もこのくらい緩かったらいいのにね、と思ったりするけど、案外田舎のほうはこんな感じなのかもしれない。

コンビニは確かに便利だけど、融通の利く商店もなかなかいいものだよね。

スーパーはスーパー。コピーはコピー屋さん。弁当という概念はそもそもないし(上海とか北京では見たけど)、本は本屋さん。分業制。

 

さてそんなスーパーなんですけど、老板(ラオバン。店長か、オーナーか、ご主人か…まあそんな立場の人。どう訳すべきかよくわからん)がいつもね、日本人はほんとにいい!って言ってるんだよ。もちろん中国は反日が浸透しているし、老板が本気で言ってるのかはわからないけど、特に皮肉で言っているようには見えない。私が行くと「おお!日本の友達!よく来たな!」って感じで、とても素朴な人。

 

でその老板が、最近言ってるのが「大和民族はほんと優秀」ってやつなんだけどさ。

自分が大和民族だなんて考えたことなかったんだよ。

わたしに向かって「大和民族!!優秀!!」って言ってくれるんだけど(苦笑)、最初、「民族」の前になんて言ってるのかわからなくて、わたしはただニコニコしていた。だって民族単位でアイデンティティを考えたことがなかったから、自分が民族名で呼ばれていると想像もしなかったんだ。やっと言ってる意味が分かっても、「???」って感じだった。

でも、中国のウィキペディア(みたいなもの)で日本人の俳優とか調べたら、必ず「民族:大和」って書いてあるんだよな。

 

 

中国はやっぱ民族に敏感なのかな。

湖南省はトチャ族やミャオ族が多いとされていて、学生にもけっこういる(1~2割くらいかな)。顔は全然漢族と見分けつかない。

それに加えて民族学院というのがあって、各地から来た少数民族の学生が属している予備校みたいなのもある。そこは中国のイメージと全然違って、中東っぽい顔の人ばっかり。話してる言葉も全然違う。いくつかある学生食堂のうち一つはムスリム用だし、東アジアの顔している学生でも「あーわたし豚はちょっと…」って子もいたり。

とにかく民族に多様性がある。

まあ、だからそれ関係でいろいろ問題も抱えたりしているわけなんだけど。

 

そしてわたしはというと、自分が日本人だ…とは考えたことあるけど、大和民族とは考えたことがほとんどない。

「巨人大鵬卵焼き」の大鵬は、ロシアとのミックスだったらしいけど、「大鵬は親がロシア人」とは言っても、「大鵬は親がロシア」というとなんか違和感あるよね。

(ロシアにもロシア族以外たくさん住んでるとか細かい指摘はしないでね)

それに、「親が中国人のアメリカ人」とかなら、中華系アメリカ人とか、そういう言い方するから、あえて「中華系だけど漢族ではない少数民族の…」とはならない。

民族に対して鈍いんだよね。

もちろん日本は単一民族じゃないんだけど、アイヌ民族琉球民族、戦後流入した朝鮮・漢・満などの諸民族の人たちには独自のアイデンティティがあって、大和民族は「それ以外」くらいの扱いなわけだ。

だから考えたこともない。

 

中国では公式に56の民族があって漢民族以外の55は少数民族

朝鮮族モンゴル族、金族(ベトナム)はいるけど、大和民族は認められてない。

わたしが中国の国籍を取ったりすると、公式に認められていない民族だからどうなるんだろうか?

顔の違いはほとんどないんだから、基本的には習慣とかの違いなんだよね。冠婚葬祭の方法とか。日本の文化とかは普通に一民族として認められるだけの独自性はあるはずなんだけど、そこんとこどうなってるんだろうな…。

 

 

でもさ、民族を意識するときなんてさ。

基本的には「同国内での他民族との交流」なわけじゃん。現状、中国人と話すとき、「この人は満族なんだー」とか考えてないでしょ、「この人は中国人なんだー」でしょ。

んでさ、同国内での他民族との交流って考えるとさ、アイヌ琉球そのほか諸民族と接触する機会は変わらないとするとさ、

移民とか。もっとひどいのだと戦争でどっかに併合されるかとかさ。

あんまり楽しくなさそうなんだよなぁ。

二次大戦で日本があんなにギリギリまで戦ったのは戦後民族浄化されると思ってたからって話を聞いたことがある。

うーん…。

日本に限って言えば、これ以上民族について考える機会が増えないほうがよさそうって気もする…。

でも、そうね。民族について聞かれるのはなにも中国に限った話じゃないと思うんだよね。世の中には民族多様性がある国家のほうが多いわけなんだから。

「大和民族」について考えたことなんてない!っていうとそれはそれで悲しい目で見られたりもするので、そこんところちょっと心に留めておくといいかも。

 

というわけで、大和民族についてかなり真剣に考えてみました。

おやすみなさい。